大地震のニュース-loin de tokyo-東京から離れて

今朝８時半。
風邪でお鼻ズルズルのbébéを寝かしつけ、
疲れたーー、と毛布にくるまると、
彼のママンから電話がくる。
朝早くに、何？と思い、そのまま彼に電話を渡すと、
何だかいつもより短い通話。
電話を切ると、
「こっちにおいで」と言う。
何？と眠い私は無愛想に言う。
「いいからこっちにおいで」と言う。
すると、
「落ち着いて聞くんだよ。東京で大地震があったって」
その瞬間、遠く離れた東京にいる父母、姉家族、友人。
一気に遠い、とても遠い存在に思えた。
同時に心臓がバクバク言い出し、震えがとまらなくなった。
私の知らないところで、遠い遠い東京の姿が崩れていくようで、
とにかくすぐにそこまで行かなければと思った。
でも、行けない。

必死に日本の携帯をサロンに探しに行き、父母のドコモの番号にかける。
つながらない。ソフトバンクの姉と義兄にかける。
つながらない。
友人に電話をかけると、つながった。
彼女はezwebを使っていた。
電話の向こうで、
「大丈夫だよ。すごく揺れたけど、東京は大丈夫」
と声が聞こえ、一気に緊張がほどけた。

フランスのテレビをつけると、
津波の風景が映り、東京ではないことが分かる。
一気に脱力する。
こちらのフランス人は、東京＝日本と思っている。
パリ＝フランスと思っている日本人も多いように。
実家に電話をしてみると、父が出た。
地上波移行で買い替えた大きなテレビが倒れそうだったので、
抑えていた、という。
ベランダのドアはバタン、バタン、と勝手に開いたり閉じたり。
パソコンは倒れ落ちたそうだ。猫は無事。
何時間後には会社から日光街道沿いに
歩いて帰って来たという母とも電話で話せる。

その間、中学生の男の子がテレビを見れない人の為に
NHKの放送をオンラインで懸命に流している。
ツイッターではいろいろな人がアドバイスや情報を
一秒単位でアップしている。
いろいろな人が、誰かの為に何かをしようとしていた。
それをじっと見守り、
私はこういう緊急事態下での人間と人間の結束力、
愛、献身、勇気を感じた。

私の生まれ育った、いつか再び帰る場所。
愛しい東京。
どうか、深刻な事態になりませんように。
そして、
たくさんの犠牲が出てしまった東北地方の方々。
その家族の方々。
ご冥福をお祈りすると共に、
これ以上被害が拡大しないことを、
生存者の方々の安全と無事を祈るばかりです。
私もこの離れた場所から、何ができるか、
考えたいと思います。
世界の大きな海に浮かぶ小さな島国。
そこに迷路のように知恵や豊かさ、
情報が発達した日本。
今はその危機の時期。
海外からだからこそ見える日本の姿を、
見守り続けたいと思います。