5/18/2009

小さな村の週末

週末、車のレースを見にcentre ville(町の中心地)に繰り出す。




10日ぶりほどにバスに乗る。

例によって1人1品持ち寄り、ピクニックがてらレースを見る。

私はサラダを作るが、ピクニックにサラダは不要であった。

みな、クッキーやスナックなどを好んで食べる。

oh,shocking.若者との食の喰いちがい。


今日は1年に1度開かれるこの小さな村のイベントだ。




Pylenee Boulevardというメイン大通りから、

車のレースを眺めることができる。

その通りは、アイリッシュカフェ、ロシアンカフェなど、

奇妙なネーミングのカフェで賑わう。

フランスなのに何故?

しかし目の前にはピレネー山脈が堂々と連なり、

絶景の観光スポットになっているわけだ。



ピレネー大通りに着くと、

はしゃぐ子や親などが人だかりをつくっている。

車がぽつりぽつりと展示され、

数少ない協賛を思わせる。




しかし今日は人寂しいイメージを払拭する活気に満ちている。

ピレネーもぐんと凛々しくそびえ、

その手前で人が場所とりなどをしている。

日射しが異様に強い。昨日は異様に寒くコートやマフラーを

羽織っていたのに、Tシャツですら脱ぎたくなる程暑い。

SPF50の日焼け止めですら無用の産物となる。


イギリスからこちらにチューターとして来ているjennyは、

器用にキッシュを作ってきた。

クリーミーで美味しい。オーブンで焼くそうだ。

ミルクを入れ過ぎたというが、食べ慣れていないから

大して違いも分からない。



私は久しぶりに英語で話してくれる人と会う。

だからとても楽しい。

フランス語でよく遭遇する会話の消化不良が起こらない。

欲求不満が解消される。

私の英語はどちらかというとアメリカ仕込みであるが、

こちらに来てからというもの、イギリス人の英語の

かっこよさにはまってしまった。

発音にパンチが効いていてとってもクールだ。

その姿勢は、明らかにファッションにも表れている。

「1年」を「ワン イヤー」(アメリカ)というが、

「アッニィャー」がイギリス流である。

この弾みがリズミカルで聞き心地が良い。cool!


しかも、イギリス人の学生は、アメリカ人の学生よりも

フランス語の習得が早く、みなトップクラスにいる。

それは、フランス語の発音の「リエゾン」が、

イギリス英語にもひっそりと残っているからなのかもしれない。

彼女たちはぐんぐん覚え育ってゆく。

なんせ古代ヨーロッパの言語はひとつだった。

英語の[thank you]は、ドイツ語の[ダンク]である。

「good morning」も【グッデンモルゲン】。似ている。

いつからか派生したが、結局どのヨーロッパ言語も

よく見ると似通っている。



ヤシの木の隙間から時折見えるカーレースを楽しみながら、

jennyとその生徒のchrisと英語を話す。

ブーン、ブーン、とカーブを曲がる音が

BGMとなってよく響く。



chrisは英語が初級に等しい。

みなでフランス語を交えながら話す。

ここに来て以来、私はフランス語に

四苦八苦しながらの毎日を送っているので、

フランス人に教える側になるというのはちょっと気分が良い。

今日の空のようにすがすがしい。

jennyが厳しくchrisにまくしたてる。

「そういう時、英語ではなんていうんだっけ?」

chrisはjennyよりも年上なのに、

おどおどしながらがんばって話す。私も普段こんななんだな。

そうそう、その調子。

語学習得とは、我を捨て、プライドを剥ぎ捨てることから

始まるのだろう。そして結果的に、

人生や価値観の幅を広げることになる。




Xavierは背が高い。ノルマンディ出身である。

「山と海が好きだし、ノルマンディは寒くて

好きじゃないからPauに来た」という。

私にしてみれば、ここはもう十分寒い。

もっと寒いのか、ノルマンディ。カマンベールよ。


帰り道、クラスメイトの韓国人のhemingと偶然会う。

狭い町なので知人とすれ違ってもおかしくない。

私は、フランス語が同じレベルのhemingと

古いカフェに座り、フランス語で会話を楽しむ。


気楽で疲れがとれるが、お互い間違っていたとしても

完璧には訂正し合えない。

だからフランス人が端から聞いていたら、

きっと奇妙なふたりである。


気の早い店はフライングをし、セールを始めている。

それらの店に入っては出て、寄り道をしながら家路をたどる。

hemingは自転車で去ってゆく。




私が間違えたバスに乗ろうとすると、

それはそっちではないこっちだ、

と親切に教えてくれるバスの運転手さん。

道で立ち止まり地図などを見ていると、

大丈夫?と声をかけて親切に教えてくれるマダム。

この町の人、みんなが大好きである。

(特に方向音痴の人は是非住むと良い。)

2 件のコメント:

  1. oui, oui, bien sur! pourquis? hahaha.
    mais, je n'est pas la famme avec cheveux blond...
    cest domage....

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